法定健康診断を受診して
先月、毎年行う法定健康診断を受診しました。身長、体重測定に始まり、血液検査やレントゲン検査等々、それぞれの検査にはもちろん意味があり、その結果は数週間後に数値と評価という形で個人に手渡されます。その数値と評価はそれぞれの人間の身体の状態を表しており、全く問題がない部分、再検査が必要な部分、さらには治療が必要な部分まで詳細に記載されています。これを会社という組織に当てはめて考えると、身体の仕組みと企業の仕組みは非常に似ていることに気づきました。
身体と会社はよく似ている
一般的に社長の右腕という言葉を耳にします。会社が身体で社長が頭(脳)だとすると、そこから伝達される指令により手足が動き身体は機能します。利き腕が右腕だとすると、右腕は最も信頼のおける人物で、それぞれの臓器は身体の機能同様に企業においても大事な役割を担っています。最近様々な企業に関わる中で、気になる現象をよく見かけます。それは、周囲から見て大変問題がある事象が日々起きているにも関わらず、日常業務として何とか成り立ってしまう為、そのまま放置されている姿です。
企業も健康診断が必要
これを身体にあてはめると、問題の箇所は沈黙の臓器とばれる肝臓です。肝臓は臓器の中での部位による機能の分化が少ないため、一部に損傷があっても再生能力が強いため症状にでにくく、自覚症状がでる頃には取り返しがつかないほど病気が進行しています。まさしくこの状況に陥っている企業が多く、問題としては認識しているものの、日々何とか乗りきってしまっているため、取り返しのつかない状況にならない限り抜本的な問題解決に着手しないのが現状です。しかし「沈黙の臓器=肝臓」と同様、そうなってしまってからでは手の施しようがありません。病気予防としての「健康診断」が存在しているのと同様に、企業にも健康(健全)診断が必要であると感じます。財務状況をはじめ、社員教育、商品、サービス、価格等々、様々な部分で定期的に評価し(または評価してもらい)、その結果を放置せず、改善(治療)に向けて努力することが大切であると感じます。「人の振りみて我が振りなおせ」と言う通り、まずは自分自身の会社の健康診断を行うべく、日頃よりお客様に頂いている「声」をはじめ、専門分野(税理士、社会保険労務士等)の方々の評価等を参考に自社の健康(健全)管理をしたいと思います。
代表取締役 藤岡秀和