一般的に
社員教育と言うと一般的には新入社員研修をはじめ営業研修やOJT研修、また中間管理職研修や幹部研修に至るまで、様々な研修が存在します。しかし、中小企業の多くは専門的知識や技術を習得する為のOJTは別として、一般的に人間力やリーダーシップを向上させるような研修はほとんど行っておらず、多くの場合はそれぞれの会社の経営者(幹部)の日頃の立ち振る舞い(行い)がその会社の風土となり、その風土が良い意味でも悪い意味でも社員の目標(基準)になっています。
目線の違い
世の中に存在する全ての会社の社長は、社員の成長を心の底から望んでおり、その思いは計り知れません。しかしながら、多くの社長は無意識に現在の自分自身の能力を基準(目線)に社員を見てしまい、社員に過度の成長速度を望んでしまっています。一方社員側は社長が言う内容(指導)を頭では理解できても、経験値が足りない為、何からどう手をつけて良いかすら分からず、即行動に移すことができない為、ここに指導する側の期待と指導される側の結果に大きな差が生じます。
会社→自分の為
では、研修を行えば解決するのかというとそうではありません。当社のお客様にも大手有名企業の研修システムを導入し、1年かけてプログラム的な研修を実践されていたところもあり、結果的に導入した企業の社長が口を揃えて言うのは、「研修を受けた社員が現在もその時の気持ちを持ち続けているということはほとんど無く、研修後数ヶ月程度しかモチベーションを持続できていない」ということです。私自身、最近、ある企業の社員の方々と話しをする機会があり、自分自身も社員に過度な期待をしていたことが分ったと同時に、社員側がどうすれば継続して成長する為の努力をするのか?ということにも気づかされました。一般的に社員は社長からも研修の場でも、会社に貢献する為に…という切り口の指導が多く、やらされている感が満ちてしまいます。その為、社長がどんなに素晴らしい話しをしても、研修プログラムを実践しても、聞く側の心が養われていないので身につきません。経営者の目線からすると、その考え自体レベルが低いと言う見方もありますが、まずは社員の目線に立って、会社の為ではなく、「自分の為に」をキーワードに、まずは考え方の根本を「人ごと」から「自分ごと」に変えさせることが大事なような気がします。