企業体質の改善

思うように進まない・・・

現在の社会情勢の中、景気の低迷による売上の減少や市場価格の下落、また競合他社との差別化等で大きく舵をきらなくてはならない状況の企業が増えてきています。身近な環境でも該当する企業がいくつか存在し、それぞれの企業(経営者)の共通の悩みは、思い通りに舵をきった方向に進んでいかないことです。しかし船であれば、舵をきった通りの方向に進み始めますが、企業の場合は方向転換する為の役割(機能)が全て「人=社員」のため、船長である経営者が示す方向に行けないのは会社の中で何かが機能不全をおこしています。

長年の体質が障害に・・・

多くの場合は企業体質に問題があり、「変えなくてもそれなりの売上があがる…」、「変えることにより面倒なことが増える…」、「変えても変えなくても自分にあまり影響がない…」等と社員が感じており、まさしく長年の企業体質が企業の変化(進化)の大きな妨げとなっています。この状況になると、経営者はできない(向かわない)社員に対して不満を持ち、結果が伴わない現実に苛立ちを感じます。
一般的に見ると社員のレベルの低さが問題のように思えますが、実は舵をきっても体質改善をしなければ思うような方向に進んでいかない、ということを理解していない経営者の方に原因があります。

社員目線で体質改善・・・

もちろん社員が経営者と同様の能力、情報量、危機感などを持っていれば即座に気持ちを切り替え、舵をきった通りの方向に向かっていきますが、しかし現実はそうではありません。企業の体質を改善するためには時間がかかり、またそれなりのシナリオが必要です。今までルートセールスで成り立ってきた会社や新規営業をしなくても紹介で仕事が増えてきた会社など「守りの営業スタイル」の会社が、急に新規開拓をしなければならないような「攻めの営業スタイル」に変更しなさい、と言われても簡単に変化することはできません。しかし、経営者の中では成功した時(結果)のビジョン目線で社員や会社を見ている為、どうしても歯車がうまく噛み合いません。また、多くの場合舵をきるタイミングから時間がかかることを想定していないため、資金繰り等、会社の存続にも影響が出てしまいます。以前のコンパスニュースでも書かせていただいたように、病気も経営不振も手遅れになってからでは取り返しがつきません。心の切り替え(体質改善)には時間がかかります。大きく舵をきる会社は、その間(体質改善するまで)維持するための企業体力があるうちに着手し、社員の目線で再構築することが大切です。まさしく「急がば回れ」という言葉が表すように、一歩一歩着実に・・・