「予測」と「予想」という言葉があります。
「予測」は、渋滞予測・地震予測・為替予測・株価予測・経済予測などに使われ、一方「予想」は、予想問題、競馬予測、未来予想、勝敗予想、混雑予想などに使われます。この言葉の違いは何でしょう?丸紅経済研究所の柴田明夫さんが分かりやすく説明されていました。図を見ていただくと分かりやすいのですが、横軸に合理性の有無、縦軸に時間タイミングの有無をとり、○×をつけるとこのようになります。
「予測」とは合理性があり、タイミングにも言及する事で、「予想」とは合理性はありそうですがタイミングがあいまいなことです。渋滞予測や地震予測は、それを裏付ける合理的なデータがあり、これこれこういう理由で、いつこうなるという時間も明言したものが「予測」です。「予想」は合理性はありそうですが「いつかこうなる」「こうなるだろう」とどちらかと言うと責任が薄いものです。「いつか分からないけど雨は降る」というのは 「予想」で、時間を明言していないので責任が薄い感じがします。それが「明日の夜から雨が降る」と言うことでそれは「予測」になり言葉に責任が伴います。 ちなみに、合理性はありませんが時間を明言している「1999年に世界は滅びる」みたいなものは「予言」であり、合理性も時間もないのが「空想」です。ビジネスの世界でもよく「予測を立てる」と言いますが、「予想」や「予言」にならないように気をつけなければいけません。「これをやろう!これはいける!」 と思っても時間やタイミングへの落とし込みがないと「予想」になってしまいますし、「3年後に会社は3倍に大きくなる!」と思っても合理性がなければそれ は「予言」でしかありません。世の中の情勢を見ながら、中長期・短期それぞれの「予測」をきっちり立てていくことが、厳しいビジネスの世界を生き抜いていくのに必要なことだと思います。