当たり前 = ○○病(○○はそれぞれの会社名)

Vol58_photo1代表取締役 藤岡 秀和

○○病に感染
弊社の専門である広告宣伝のサポートをする中で、様々な企業を見てきました。その中で最近特に気になったことがあります。それは職務に専念していればしているほど○○病に感染しているということです。
ここで言う「○○病」とは、それぞれの会社に長年属しているうちに不思議に思うことや疑問が無くなり、いつの間にか当たり前になってしまっていることです。例えば、知らず知らずのうちにお客様に対して専門用語を多用していたり、自社のサービスや商品の魅力(ストロングポイント)が固定観念になっていて、実際のお客様から見た場合には魅力になっていなかったりすることなどが挙げられます。

そこで検証
先日ある企業の販促パンフレットを制作するにあたり、3名の担当者とミーティングをしました。担当者のそれぞれの職務は、①営業部長(パンフレットを直接使用する部署の責任者/○○病90%)、②営業部門の販促担当(全体を考えより効果の高いツールを作成する担当/○○病60%)、③総務担当窓口(今回の作成の指示を受けた窓口/○○病30%)、それと④私(○○病10%)。
今回私の提案で、その4人がそれぞれパンフレットに記載したい内容を考えて発表し、その共通部分とそうでない部分を検証することにしました。その結果、予想通り最も気持ちの入った営業本部長と、最もエンドユーザーに近い私では全く異なる内容になりました。
営業部長が希望する内容は、その会社の強みであったり、自信のある部分ですが、お客様にとってパンフレットを読もう(見よう)と思うような魅力はなく、競合他社も含め普通の会社であれば当たり前のように備わっていなければならないことが記載されていました。

当たり前の改善(○○病の治療)
本来であれば、お客様の近くで生の声を日々耳にしている営業部長が最も有効な記載内容を提案するべきなのでしょうが、結果的には正反対でした。エンドユーザーに近い私と総務担当者は営業部長が提案した内容では全く購入アクションを起こさないばかりか、興味さえ持たないことがわかりました。それは、冒頭に記載したように、最前線であるために当たり前が多くなり、自分自身(営業部)の姿が見えなくなってしまっていたのです。
今回の販促パンフレットに限らず、サービス内容、価格、顧客管理、社内でのルールや規定、またリスクヘッジ方法など、改めて第三者の視点で見直すことにより、その会社での当たり前を正しい方向やお客様の側から見た形に戻すことができます。私自身も自社の立場ですとコンパス病100%であり、改めて「人の振り見て我が振り直せ」を実践し、自社の当たり前の改善をしなくてはならないと痛感しました。