今年に入って日航機墜落事故の実話「沈まぬ太陽」を読みました。墜落後数年経って、当時駆け出しのカメラマンだった高校の同級生が、墜落現場に取材に行かされた時の惨状を語ってくれ、また映画にもなっていることもあり、いつかは読みたいと思っていた本でした。時間はかかりましたが全5巻なんとか読み終えた頃、新聞に「御巣鷹山から30年」という記事を目にしました。偶然にも節目の年だったようです。
新聞やテレビの特集から、本に出てくる遺族が実名であることを遅ればせながら知り、どれだけの方が無念の思いをこの本に込めたかと感慨深いものがありました。30年前の事故直後の報道は記憶にありますが、その後の詳しい記事まで読むことはなく、映画も観ていなかったので、この本を読んで初めて知ったことが多く、驚くことばかりでした。日航の体質、政治との癒着、そして起こるべくして起こった事故、事故現場とその後の想像を絶する事実、今更ながら活字の力の大きさを実感する本でした。(大鳥居)