人材不足
一般的に中小企業の多くで人材が不足していると言われ、当社のお客様を見ても、人材確保に頭を悩ませている光景をよく見かけます。特に中間管理職と言われる立場の人材はどこの企業も欲しており、若手社員の教育や中途採用など、様々な手法でその人材確保の為に努力をしています。
企業衰退に大きく影響
前号のコンパスニュースで、衰退する企業の記事を書かせていただきましたが、様々な理由が存在する中で、最も多い理由は「企業理念」と「経営者の人格」の不一致でした。実は今回のテーマである「人材確保=人材育成」もそれに次ぐ要因で、現在の日本社会の中では「転職」というのは普通のことですが、これは働く側(転職をする方)の話であり、働いてもらう側(企業側)にとっては決して普通であってはならないことなのです。私が今まで見てきた限りでは、やはり人の出入りが激しい企業には何らかの問題があり、経営者がその理由が自分自身にあることに気づいていないという図式がここでも成り立っています。人材を失うということは人財(人的財産)を失うことであり、企業にとっては様々な面で大きな痛手になります。それに気づかない経営者の多くは「業界の特質」や「待遇面」が原因だと勘違いし、自らの責任(社長自身の問題、経営内容、社風、人材育成等)ではないと考えています。
人材育成こそが企業繁栄
社員はなぜ辞めるのか・・・?もちろん10人いれば10通りの答えがあります。しかし、その中でも優秀な社員が会社を去る理由として最も多いのが「この会社ではこれ以上自己成長ができない」ということが挙げられます。要するに、これ以上勤めていてもこの先、自分の成長にとって魅力あることが存在しないという判断をくだされてしまったということです。これらの解決にはいわゆる組織力が不可欠で、まずは、憧れる先輩や尊敬する上司が存在するかどうかが大切です。しかし、中小企業の場合、大手企業のような組織形態になっていないため、100人以下の企業は、社長の人格、リーダーシップ、夢、そして最も大事なことは、「自分のことを見てくれている」「考えてくれている」という気持ちを社員が感じられているかどうかです。会議や報告書、仕組みやシステムが先行しがちですが、やはり「企業は人なり」という言葉通り、人材を確保するには、社員の心を育む努力を社長自らがすることが、人材確保=人材育成の第一歩であると私は思います。規模や業種にもよりますが、1年間に20%以上の退職者をだしている企業は「衰退企業」と言っても過言ではありません。まずは社長自らが創業時の気持ちにたちかえって、右腕、左腕の社員(役員)と本気で膝を交えることが第一歩ではないでしょうか!
代表取締役 藤岡 秀和