何とかなるを繰り返すとどうにもならなくなる

節目のハードル

目の前に立ちはだかる高い壁

創業より17年、1,000社を超える企業とお取り引きをさせていただき、最近強く感じることがあります。それは頑張れば何とかなってきた企業がどうにもならなくなっている現状です。これは決して他人ごとではなく、企業が5年、10年、20年・・・と存続する為にはそれぞれにハードルがあり、節目節目で大きな壁を乗り越えなくてはなりません。全ての企業にあてはまるわけではありませんが、10年、15年、20年のハードルは非常に高く、なおかつ重要で、その先の5年、10年の計画(方向性)をしっかりと立て、その計画に従って戦略的に行動している企業こそが成長し続けられているということを実際にお客様とお取り引きをさせていただく中で実感します。

言い訳ボックス

しかし多くの中小企業は目先の忙しさに翻弄され、また日々大きな変化がなく業務をこなす習慣の中で、ターニングポイントで過去をふり返り、新たな計画(戦略)をたてなくても大きな影響がないため、「本当は取り組まなくてはいけないんだけどなかなか忙しくて・・・」や「わかっているのだけど・・・」等の言葉を言い訳ボックスに押し込んでいるのが現状です。中小企業には後先考えず目の前の仕事をこなさなくてはならない時期(何とかなる)もありますが、存続し続ける為にはやはり節目でしっかりと反省し今後の方向性をしっかりと見極めることが大事であると思われます。

隣の芝生は青く見える

以前のコンパスニュースの原稿でも記載しましたが、まさに階段で言うと「踊り場」。その意味には様々な説がありますが、一般的には「方向転換、休息、危険防止のために階段途中設けた広く平らな所」とあります。これを企業で例えると、「方針転換、見直し、倒産防止のために行わなくてはならない節目の時期」として捉え、攻守のタイミングも含め、「考え」、「行動」できる企業が長年にわたり歴史を作っていけると確信します。当社が参画したウイッツグループは、現在百年企業を経営理念に掲げ、その為に今取り組まなくてはならないことをしっかり捉えて日々精進しています。その姿勢とエネルギーは非常に高くグループ各社は見習っていく必要があります。


先日、ウイッツグループでの当社の役割である「グループ戦略構築」の為に、全7社の現状ヒアリングを行いました。そこで真っ先に感じたことは、「隣の芝生は青く見える」ということでした。グループには年間売上20億近い企業が3社存在し、傍から見ると「成長度」、「売上」、「勢い」、「社員の数や質」等々、どれをとってもうらやましく見えます。しかし、その陰では経営者はもちろんのこと、幹部をはじめ社員に至るまで、血のにじむような努力を日々繰り返しており、自社がいかに甘い(楽)かを他社を深く知ることではじめて理解できた瞬間でした。厳しくすることだけが成功の秘訣ではありませんが、やはり熱意に勝る能力はないことは確かです。当社はこれから20年、30年のハードルを越えていかなくてはなりません。15年の節目に立てた計画をしっかり遂行して20周年を迎えたいと思っております。

代表取締役 藤岡 秀和