『アイデア掲示板』の構築と意見交換会の定例化
去年の12月、新商品やサービスの開発に向けて社内で意見交換を行うために、『アイデア掲示板』というWebツールを構築し、運用を開始しました。開始時の目標は「個人個人の小さな発想を持ち寄り、大きな成果に繋げること」です。また、ルールとして「一人あたり月に1回以上の投稿」を設定しました。この投稿の対象には、新しいアイデアだけでなく、アイデアに対するコメントや、既存の投稿に関する調査・検討・企画・実施などの過程についての書き込みも含まれます。一か月の間に『アイデア掲示板』に蓄積された情報は、定期的な対面の意見交換会で報告・共有し、さらに意見を出し合い、ブラッシュアップしていきます。
小さな思い付きが生む大きな可能性
このサイクルを回し始めて2、3か月が経過しましたが、既に15件以上の新しいアイデアが投稿され、そのうち半数以上が実現に向けて進行中です。コメントの交換も活発で、効果は上々といえるでしょう。当社にはこれまでも、アイデアを社員一人一人に求め、知恵を出し合う文化がありました。けれども、日々の業務に追われる中で、せっかく思いついたアイデアを共有したり、実際の業務に発展させたりすることが難しい場面が多々ありました。また、一般社員という立場だったら「こんなことを言い出したら笑われないか」「なんとなくやりたいことはあるけれど、漠然としているな」といった不安から、意見を出すのをためらうこともあるでしょう。しかし、世の中の成功事例の中には、ほんの小さなアイデアがもとになっているケースが少なくありません。一人がふと思い付いた取り留めのないアイデアにビジネスチャンスの欠片が眠っていて、他の人が一考をプラスすることで、より具体的で魅力的な企画に発展する可能性もあるのではないでしょうか。
アイデア共有が生む、業務効率化とモチベーション向上

新商品やサービスの開発を目的として始めた取り組みですが、業務効率の改善や社員のモチベーション向上といった副次的な効果も生まれています。業務効率の改善については、『アイデア掲示板』の『業務効率化』カテゴリーで、ファイルの整理方法や情報共有の工夫など、実務に役立つ意見交換が行われています。社員のモチベーションに関しては、「自分のアイデアが実現するかも知れない」「小さな思い付きにも価値があるかも知れない」と実感できることが、意欲の向上につながっているのではないでしょうか。
以上のように、社員全員が小さなアイデアを気軽に共有し、積み重ねていくことで、新たなビジネスチャンスや業務改善が期待できます。
代表取締役 藤岡 秀和