仕組みより心

基調講演を聞いて

先日、グループ会社の全体会議(事業計画発表)に出席をして、ある大手販売会社の役員による基調講演を聞く機会がありました。テーマは「これからの時代に求められるリーダー像と企業の在り方」。この種の講演は書物に書かれているような仕組みやマネジメントの方法等、統計的な見地から図や表を使った理論的な話が多いのですが、今回の講演はそのような内容ではなく、「働く人の気持ちを変え、そして長年の悪しき習慣や風土を変える」をテーマに取り組んできたことを、ご自身の経験の中での成功談や失敗談も包み隠さずお話していただきました。こちらの会社の従業員数は現在約8,000人で、様々なグループ会社が経営統合によりひとつになったこともあり、風土と価値観の異なる社員をひとつの方向へ向かせるために大変な苦労をされたそうです。

目線の違い

企業で開催する講演では居眠りをする人をしばしば見かけますが、今回の講演では誰一人としてそのような人はおらず、参加者は目を輝かせながら講師の話に聞き入っていました。また、全体会議(事業計画発表)及び講演の感想をアンケート形式で参加者全員に書いてもらい、後日集計した結果を見ましたが、今回の講演は多くの参加者の心に響いており、「またこの先生の話を聞きたい」、「来年も同様の講演を聞きたい」といった記載を多く目にしました。私自身も今まで数多くの講演を聞く機会がありましたが、一般的な講演と今回の講演との決定的な違いがあります。それはどの目線で話をするかです。一般的な講演では統計や仕組みを根拠とした正論を企業側(経営者側)の目線で話されることが多い中、今回の講演では社員側の目線に立ち、時間をかけて社員の気持ちに寄り添った経緯、また会社も個人も共に反省しながら一緒に風土を変えてきた話であった為、参加者(グループ会社の社員)は皆、自身の気持ちと重ね合わせ、心を開いた状態で話を聞くことができました。

いつの時代も「人」

昨今、時代も変わり様々な仕組みやシステムが導入され、IT化やAI技術と言った私が就職した35年前には全く想像できないような社会(世の中)になった一方、やはり働くのはいつの時代でも、どんな状況でも「人」であり、人の心を動かし、人の気持ちを前に向かせることが最も大切であることを改めて感じることができました。私自身も自社の社員をはじめ、グループ会社の顧問としても社員と接することが多く、また、販売促進や広告宣伝という切り口で数多くのお客様とお話をする機会がありますので、「仕組みより心」を深く心に刻んで関わる方々のお役に立ちたいと思います。