最後の10%

■ 仕事をする上で・・・
 よく見かける光景の中に、一つのことに対して一生懸命努力を積み重ね、終了間際に詰めが甘かったり、峠を越えた安心感から失敗したりクレームになったりと、達成できないことがよくあります。この場合、それまでに使用した時間とお金は、二度と失敗しないという教訓以外は無駄になり、せっかくの努力が実らない典型的なケースであります。しかもその場合、失敗したり達成できなかった損失以上に相手(周囲)の信頼も失うことになり、最後の10%の努力を怠ったせいで、その信頼を取り戻すのに何倍もの労力が必要になり、結果的に自分の首をしめることになります。

■ スポーツでも・・・
 同じような事が言え、100mを走る時ゴールを目標にすると、90m位の地点でもうすぐゴールだと言う安心感から無意識に失速するそうです。そのため、ベストタイムを出すためにはゴールより10m先をゴールと想定して走る!そうすることにより、ゴールの位置を最速で通過することができるため、良い結果を出すことができるそうです。まさしく仕事をする上での仕組みと同様で、達成間近の安心感からの失速が失敗の原因であり、仕事の場合でも100m走でいう10m先を目標にすれば、成功というゴールは最高の状態で通過することができます。

■ 様々な場面で・・・
 これは前述した仕事やスポーツだけではなく、様々な場面に言えることです。例えば接待・・・、大事なお客様等を接待した際、最後にお客様が帰る手段への配慮が足りなかったがために、そのお客様の満足度が下がった場合、せっかく使った時間とお金が活きません。また経営者同士の集まりの中で会食などをしている時、あと少しでおひらきになるにも関わらず、周囲が理解できる理由もなく先に帰る人がいます。私の経験からするとこの場合必ずと言っていいほど、その人が帰った後、最後までいる大事さの話題になりその人の評価が下がります。
 このように、様々な場面で最後の10%の努力が目標や目的の達成(成功)に大きく影響していることがわかります。ほとんどの場合、足りない10%はその本人は気づいておらず無意識に行動しています。ではこれらのことに気づき、成功への階段を最後まで上がるためには、月並ですが立場を逆にして自分がされる側にまわった場合、どのようにされるのが一番嬉しいか(満足するか)を考えて行動するしかありません。特に目標(目的)を90%達成した時、あらためてこれらのことを意識し、「これでもか」精神で最後の10%を全力で取り組むことが大事です。まずは自らの行動を見直し当社から最後の10%を大切にしていきます。90%の努力を無駄にしないように・・・。