企画提案型入札

コンペやプロポーザル選考の意味

最近、行政ではコンペ入札やプロポーザル入札が行われることが多く、当社も各自治体から時折参加のお誘いを受けます。一般的にコンペは「主に提供する商品やサービス内容について、「提案」そのものを評価して決定する方法」で、一方プロポーザルは「商品やサービスについての提案だけではなく、事業実施の主旨や実施体制、企業の実績や信頼性、地域貢献度等を含めた提案内容を総合的に評価して決定する方法」になります。

一般企業の導入も進む

以前は建設や土木関係の業務においてコンペやプロポーザルが行われることが多かった入札方式でしたが、近年私たちの業界でもその方式がとられることが多々見受けられるようになりました。さらに最近では一般企業や組織でも行われるようになり、仕事を発注する側はいとも簡単にコンペとプロポーザル方式での参加を呼び掛けるようになってきました。もちろん発注側はより良いものを作りたいという思いからコンペやプロポーザルを要望してきますので、当然受ける側は精一杯の努力をしてコンペやプロポーザルに臨むことになり、大変な時間と労力を要します。しかし発注側はその大きな努力が背景にあることをあまり考慮せず、簡単に「今回はプロポーザル(コンペ)になります」と言ってきます。

コンペやプロポーザルが成立しない仕様

そこで参加意思を表明することにより仕様書が送られてきますが、その仕様書の内容を見るとあまりにも受け側の負担が大きいものがあり、最近ではそのような案件の割合が大変増えてきています。実際にあった話では「A4サイズの三つ折りパンフレット印刷/500部」の業務で、デザイン案を3案、それに関わるデザインコンセプトや制作内容の提案書の作成、さらに文章の作成(コピーライト)やイラストの書きおこし、それで最後に予算は10万円以内。プロポーザルの準備だけで1週間はかかり、受注後には実際の印刷費等もかかるため、どう考えても10万円以内でおさまる内容ではなく、受け側(当社)としては、仕様書を確認した時点で辞退させていただきますが、このようなコンペやプロポーザルを簡単に依頼してくる発注側の風潮や習慣に問題があると思います。元々大きな金額での受発注をされる建設や土木関係の業務で行われていたため、企画提案費用はその大きな受注金額の一部なのでそのような方式をとれたのでしょうが、そもそも成果物の費用が予算金額で、プロポーザル費用は全く捻出されないような業務はコンペやプロポーザルにするべきではないと思います。
さらに言えば、WEB制作の業務に関しては発注側が提供する仕様書に不備が多く、当社で正確に検証し提案や見積もりをすると、検証もせず見積もりをしてきた同業他社と金額で差がつき、当然発注側は安価な方を選択しますが、制作を進める過程で追加費用が発生し、最終的には当社が見積もりをした金額を超えてしまって、受注した他社と発注側がトラブルになっているケースもありました。いずれにせよ発注側はもう少しコンペやプロポーザルの仕組みの理解や仕様書の完成度を高くしていただきたいという願いと共に、当社では今後も引き続きそのような案件に対しては総力をもって臨みたいと考えます。