満開のシーズン中の休日、桜を目当てに近所を散歩していると、道路側の枝が剪定されて無残な景観になった桜並木に2度遭遇しました。小学校や工場の敷地内に、道路沿いに植えられた数本から20本程度の木々の路上にはみ出ている枝葉が、縦に割ったように一直線に刈り取られていたのです。
もともと道路にはみ出した樹木については道路法などに規定があり、敷地の所有者が剪定や伐採などの対処をしなければならないそうです。ただし、対処が必要と定められている部分とは歩道の上部2.5mまで、車道の上部4.5mまでとなっていて、それ以上高い位置にある部分は剪定は不要のはずなのです。ソメイヨシノの標準的な樹高は10m前後です。近所の桜の木々もおそらくその程度の高さなのですが、路面から半分ほどの高さの部分まで剪定して、上半分の枝葉は残せなかったのでしょうか。
一方、市がPRしている桜の名所では、そこまで無残に刈られている木々はほとんど見当たりません。しかし名所ではなくても、身近で咲く桜を毎年楽しみにしている人々も多いと思います。安全や衛生といった理由で剪定が必要な場合でも、大雑把にざっくり刈るのではなく、一枝一枝を大切に、できるだけ美観を保持していってほしいと思います。 (高梨)