元気な人物クローズアップ(31)社会福祉法人神奈川やすらぎ会 副理事長 西迫哲様

■「らしくない」を目指して
 私は日ごろから、スタッフに「らしくない」で構わないと話しています。「福祉施設らしい」「保育園らしい」というのは、長い時間をかけいつの間にか自分たちの概念の中で作り上げられてしまったもので、お客様のために本来あるべき姿を追求し続けていかなければならないと考えております。そのためには、時代の変化と共に外部環境に柔軟に対応し、内部環境を変えサービスを提供していかなければなりません。
 医療と福祉はとかく同業のように捉えられがちですが、病院は「社会復帰」を目的としていますので、作業効率のよい環境づくりをしているかもしれません。しかし福祉施設は、なるべくご自宅にいるような環境で生活をしていくためにあると考えています。そのために、私どもの施設ではよく見かけるような諸注意や案内といった掲示物などをお客様の目に見える場所に貼ることは避けています。お年寄りはもちろん、ご家族の方も安心して過ごしていただける環境を作っていくこと、それが本来あるべき姿です。

■「知恵を使える人材育成」
 私たちが運営している「みらくる保育園」では、必要最低限の遊具しか置いていません。一般的な保育園ではあまり考えられませんが、これには理由があります。私たちが生活をしている現代社会では、日々様々な変化が起こっており、ひと昔前まで公衆電話で電話をかけていた時代から、スマートフォンさえあれば電話やインターネットもでき、さらには腕時計でも様々な情報が得られる時代になりました。今、私たちの保育園に通ってきてくれている子どもたちが大人になるころには、さらに大きな変化が起こってくるでしょう。私たちは、これから訪れる変化にも対応できるような「知恵」を、自然と身につけられる環境として、あえて最低限の遊具しか置いていない園庭を作りました。
 他人の決めたルールに従って遊ぶのではなく、自分たちがルールを作って遊ぶ経験を通して色々なことを学ぶ時間を与えると、大人の想像以上の答えが返ってきたりします。 このような経験を多く提供することで、これからの社会を生き抜いていける知恵の使える大人を育成していきたいと思います。

【法人情報】
社会福祉法人神奈川やすらぎ会
http://morinosato.jp/

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