●最近のWEB事情
WEB制作関係の仕事に携わって20年近くの月日が経ちます。現在、新規のお問い合わせをいただくほとんどのお客様が今迄おつきあいされてきた制作会社に不満をお持ちで、その不満内容は以前のコンパスニュースにも書かせて頂きましたが、そのほとんどがレスポンスの悪さです。さらに最近では、WordPress(ワードプレス)に関するお問合せが増えています。
WordPressとはホームページを制作する為のブログソフトウェアで、無料で提供されています。難しい専門知識がなくても簡単に更新作業ができるため、現在人気の制作方法になっています。WordPressの特徴の1つがプラグイン(機能拡張プログラム)の豊富さで、問い合わせフォームやスライドショーの設置などを簡単に行うことができることから、制作費も安価に抑えることができます。ほかにも様々な利点があるため、多くの制作会社がWordPressを使用した制作方法を採り入れています。
●責任はどこに?
しかしメリットがある一方、その後のメンテナンスが必要になります。そのひとつにプログラム本体のアップデートがあります。WordPressは2003年に公開されて以来200回を超えるアップデートが行なわれており、それぞれ不具合の修正やセキュリティホールの改善等が行なわれています。
もちろん制作会社はその時々の最新バージョンで制作を行ないますが、制作完了(納品)以降、アップデートされずに制作時のバージョンのまま放置されているケースが多く、セキュリティホールが狙われ、Webサイトの改ざんやウイルス感染などの被害が出ています。
それでは一体この責任はどこにあるのか?ということですが、これは制作会社とお客様の双方に責任があるといえます。しかし、専門的知識を持たないお客様がシステムを理解しご自身でアップデートするのは難しいため、制作会社としてはWordPressを導入した時点でその仕組みを説明し、導入後の更新等をどうするかを事前に協議しておく必要があると思います。
●釣った魚には・・・
先日もある会社から、WordPressを導入してWEBサイトを構築したけれど、最近その制作会社のレスポンスが悪いため、依頼先を変えたいという問い合わせがありました。そこでそのWEBサイトを検証したところ、何と6年以上もアップデートがなく、無数に使用されているプラグインも放置状態で、ハッカーに狙ってくださいと言わんばかりの脆弱サイトでした。いわゆる「釣った魚には・・・」的な、最近良く見かける営業重視型の制作会社の有り様といえるでしょう。
当社ではお客様に常にお話をしておりますが、WEBサイトはインターネット上の支店だと考えております。物理的な支店はオープンしてからが勝負なのと同様に、WEBサイトも完成してからが始まりです。ぜひWEBサイトをオープン(リニューアル)しましたら、手間暇をかけて育んでいただければと思います。