大手サービス業の店舗にて
休日のある日、有名な大手サービス業の厚木の店舗に個人的な用事で出向きました。その店舗とは店長をはじめ、担当者とも以前から親しくお付き合いをしている間柄です。事前にWEBサイトで午前10時の来店予約を済ませていて、到着時は駐車場係の方に店舗まで誘導して貰ったのですが、入口のドアを開けた途端、案内係が大きな声で「お客様ご来店です」と店内に向けて声を発しました。それを合図に、カウンター内にいる他の店舗スタッフ達が一斉に「いらっしゃいませ!」と声を揃えて挨拶をしてくれます。このような出迎えは他所でもよくあることですが、そこから1時間ほどの滞在中に起きた現象に色々と驚かされることになりました。
マニュアル通り
休日とあって店内は大勢のお客様でにぎわっていました。入店後に案内されたテーブルに着席して飲みものを頂きながら順番を待っている間に、目の前を担当者と店長が合わせて5回通りましたが、両人とも私がいることに全く気づかず素通りをしていきます。30分程度経過した後にようやく店長が気付いて、慌てて担当者と共に飛んできました。店長は私と数分だけ会話をしましたが、忙しそうでしたので、こちらは気にせず仕事に戻ってくださいと即し、その後は用事を済ませつつ店舗オペレーションを観察させて貰いました。退店の時も来た時と同じように「お客様お帰りです」と見送り担当が声を出し、他のスタッフは一斉に「ありがとうございました」と声をかけてくれました。
人の振り見て我が振り直せ
店舗に滞在中、マニュアル通りと思われるオペレーションが随所に見受けられましたが、肝心な部分が盲点となっているということを強く感じました。ひとつは、来店者への対応です。この店舗では朝礼の時に来店予約者リストをスタッフ間で共有し、店長も担当者も私の来店時間を把握していたはずですが、目先の作業に翻弄されて全く気付きませんでした。担当者は複数の顧客への対応が必要なので仕方がないとしても、店長の方は、来店中の10組程度のお客様方への挨拶回りくらいは行った方が良いのではないでしょうか。ふたつ目は、清掃業務に関することです。この店舗では清掃作業員がお客様と同じ出入口を使用して、汚れた作業着と長靴姿でゴミを持って出入りしています。清掃作業の終了を受付に報告する必要があるようでしたが、出入口がただ一つしか無いというわけでもなく、通用口などが随所に設置されていましたので、ゴミは作業場で捨て、通用口から入ってきて受付に業務終了の報告をした方が、来店客の心証は格段に良くなりそうです。
このような現象は、30名以上いるほとんどの店舗スタッフがマニュアルに合わせて実践することばかりに気を取られ、マニュアルに記載されていないことは全く気にしない、違和感を持たないという、大手企業のチェーン店などにありがちな要因によるものではないでしょうか。
その後、前述の店長と、その上長にあたるエリアマネージャーと一緒に食事をした際にそう話したところ、改めて聞かされるとごく当たり前のことなのでとても恥ずかしいと反省されていました。
この会社(店舗)だけではなく、きっと当社にも自分達では気が付かないことがあるのではないかと考えさせられました。まさしく人の振り見て我が振り直せの良い例でした。