●経費の見直し
一般的に経費の見直しというと、無駄をなくしできる限り節約をするという認識があります。どこの企業も節約的なキーワードは日々飛び交っているもので、事務部門の内容で言うと照明をLEDにする(さらに不要な時は消灯する)、コピーの裏紙を使う、携帯を安価なキャリアに変えるなど、目に見える節約に目が向きがちですが、実は目に見えない節約に大きな落とし穴があることに気づきました。
●PCのスペック
昨年当社のグループ会社でPCのスペックを向上させることにより事務作業の能率が上がるという試算から、一斉にPCを買い替えました。どこの会社もその年の最新モデルを購入しますが、購入後3年も経過するとさらに新しいPCが登場し、HDDやメモリの容量、速度等、3年前に同じグレードや価格帯で最速だったPCが現在のものとは比較にならないほど進化しています。
確かに試算してみますと、PCのスペックが向上することで20%効率が上がると仮定すれば、8時間勤務で1人が1日約1.5時間の短縮になります。
1ヶ月25日間だとすると1年間で450時間(1.5時間×25日×12ヶ月=450時間)の節約ができることになります。これは約56日分に相当する時間で、同じ仕事量を同じ人がこなすのに約2か月近く短縮できることになります。同様の人が6人いたとすると一人のスタッフの1年分に相当し、6人のPCのスペックを向上させるだけで新しいスタッフを1名雇用したのと同じことになります。
●目に見えない人件費節約
もちろん1日中PCでの作業をするとは限りませんが、当社の場合グラフィックデザイナーもWEBデザイナーも1日の90%以上がPCでの仕事になり、事務スタッフやWEB解析チームもほぼPC作業が中心となるため、PCスペックの向上は「効率を上げる=節約をする」以外の何物でもありません。先月WEBデザイナーと営業のノートPCを新しくしましたが、スピードが倍増し作業効率が相当高まったと報告を受けております。PCスペック向上に限らず、目に見えない人件費の節約は身の回りに山ほど存在しています。どこの会社も出ていくお金に目を向けがちで、できる限り内製化をして経費を使わないようにしていますが、内製化=社内の人件費がかかっていることを再度認識し、目先の経費削減ではなく効率の良いビジネス環境を作ることが最大の節約です。